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ひろ鍼灸院は肩こり、倦怠感、腰痛、膝痛、頭痛、うつにファシアや耳からも対処。

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凝り・痛みHEADLINE

凝り・慢性痛(難治性疼痛)でお困りの方へ 
2023年2月20日 13:26:52追加修正

凝り、と言えばなんと言っても肩こりです。日本人の二人に一人が悩んでおり、女性が訴える症状の第一位です。ほとんどの場合、確定的な診断方法もなく、慢性痛の対処法と同じなので、このページでまとめて説明します。肩こりでお悩みの方も是非お読みください。

さて、そもそも慢性痛とは一体なんでしょうか? 怪我をした場合にすぐ出てくる痛みが、急性痛と言われる痛みですね。もちろん、身体の部位は腰痛、膝痛、肩部痛、どこにでも当てはまります。

その痛みが3ヶ月以上続くものが慢性痛と一般には言われています。ですが、ただ期間が長いだけではありません。急性痛の薬が効かないことが多いですし、画像診断でも患部は正常通りになっている。なのにずっと痛みが消えないという特徴があります。ですから、ただ長引く痛み、と単純には言えません。

痛みが完全になくなってしまえばどんなに良いか! 患者さんからよく耳にする言葉です。が、現に世の中には生まれつき痛みを感じない人も存在しますが、それは幸せとは決して言えません。なぜなら毎日の生活で始終身の回りに気をつけなければいけないからです。例えば、怪我や火傷をしても全く痛みを感じないので、身体はぼろぼろになり、必然的に短命になりかねないのです。

つまり、痛みは警報器の信号音のようなもので、生命の維持に欠かせない実に大切なものなのです。家を始めとする様々な施設、建物には警報器が必ず設置してあることを考えればご理解頂けると思います。

しかし、この人体内の警報器が実にデリケートで、誤報を起こしたり、混線して他の部屋で警告音が発せられたり、音量が大きくなりすぎてしまったりと、いろいろ故障しがちなのです。これが、慢性痛(慢性疼痛)のメカニズムです。

ですから、患者さんの痛みを無くしたいという願いは、残念ながら不可能です。可能だとしても、生命を危機に陥れることになってしまいます。では、一体慢性痛に悩む人はどうすればいいのでしょうか?

それは痛みに対する認識、理解を変えていくことです。痛みがあっても、生活の主導権は痛みに渡さない。痛みをコントロールする。そのための技法が認知行動療法です。

痛みの認識と理解、そして正しい知識が痛みの対処にはとても大切なのです。

私個人の話ですが、鍼灸学校時代にひどい腰痛になり、ついにまっすぐ立つことが出来なくなり、病院で腰椎2番付近がズレていると診断されました。もちろん、鍼を試しましたが、すぐに痛みが戻ってしまい、これはもう医師の言う通り、手術するしか無いのかもしれないと、絶望に近い大きな不安を抱きました。しかし、なんとかしないと将来、鍼灸師として生きていけない。いろいろ調べていくうちに、筋膜(現在ではファシア)の存在を知り、関連する本を手当たり次第読みあさりました。レントゲンで見せられた腰椎2番は、私の目から見ても確かにズレていましたが、それは必ずしも痛みに結びつかないことがわかりました。そして骨以外にも筋肉や筋膜、ファシアが痛みの原因になることもあると学びました。すると不思議なことに、特別な施術はしていないのに痛みは治まっていったのです。後で知りましたが、正しい知識を知ると痛みが治まることがあり、これを「読書療法」と呼ぶ人もいます。以来、痛みをライフワークにすることを決意し、施術だけでは無く、正しい知識を伝えることも必要だと思うようになりました。鍼灸師になった今、患者さんには少しずつ痛みの講義「痛みについてのプレゼンテーション」を施術の合間にするように心がけています。実はこのページは、その予習として作ったものです。

ただ、この心理療法も絶対ではありません。考え方が関わってくるので、どうしても受け入れてくれない方もおられます。また、信頼関係が育まれてからでないと難しいですし、試行錯誤を繰り返しながら進めていくのである程度時間、期間がかかります。

もちろん、心だけで無く身体自体にもアプローチします。鍼は炎症物質を流し、脳から強い痛み止めを出してくれることは多くの論文で証明されていますが、その時の体調や精神状態によっては、その場ですぐに効果が必ず出るとは言えません。痛みが消えても、感情・思考と言った心理状態、社会的ストレスで再発することも多々あります。

他にもっといい治療法は無いのでしょうか? 正直に申し上げて、慢性痛に、万人を瞬時に直すような奇跡(魔法)の治療法はありません。これは痛み治療の第一人者、横浜市立大学ペインクリニック科院長の北原雅樹医師、東大付属病院痛みセンター准教授の笠原諭医師を始め、ほぼ全ての痛みに関わる医療者が口を揃えて言っていることです。誤解して欲しくないのですが、これは諦めろ、という事では無く、痛みの原因は非常に複雑でやっかいなもので、だからこそ一朝一夕には治せないという意味です。モノを壊すのは一瞬でも、修復するには比較にならないほどの時間と労力がかかるのと同じです。

鍼は良く効く、それこそ魔法のような治療法だと期待して来院される方がおられます。
また鍼治療は薬の服用と同じようなもので、受けるだけで、次第に良くなるものだ。そして痛くなったときに頓服のように痛くなる度に受ければいい。そうこうするうちに、この痛みは無くなっていくはずだと考えるわけです。
しかし、上記で述べたとおり、痛みが無くなることはないので不満がつのり、来院を止め、また別の魔法のような治療を求め、別の病院、各種治療院、名医(ゴッドハンド)を探すのに奔走する(通称ドクター・ショッピング)わけです。医療(者)に対する不信感を増大させながら、これを延々と繰り返します。

よくTVの健康番組で、簡単な手技で効果が出た映像をイメージする方もおられると思います。自慢では無く、うちの治療院でも、わずか数分間で改善した例は過去にいくらでもあります。が、それは単純、シンプルで、様々な要因が絡み合っていなかった幸運なケースだからで、私がゴッドハンドだからではありません。そもそもそれは、慢性痛とは言えないのかもしれません。大半の慢性痛は、脳の一部が萎縮してしまったりして、数回の施術では変化が見られないことが多く、状況の変化では悪化することもありえます。

ではどのように対処していけばいいのでしょうか? 唯一絶対の魔法のような治療法がなければ、多面的にアプローチすれば良いのです。語弊があるかも知れませんが色んなやり方のいいとこ取り、厳密に言うとそれそれの方法で補完し合って好成績を狙うということです。野球で言うならば、点数差で負けているチームが一瞬で勝利する、一発逆転満塁ホームランではなく、コツコツとヒット連発で点数を稼いで最後に勝利を掴むイメージです。具体的には次の様々な方法をとります。

[身体へのアプローチ]
  ・注射や服用薬などの薬物療法
  ・鍼などの鎮痛
  ・運動療法
  ・食事療法
[心、精神、思考へのアプローチ]
  ・心理療法

運動が痛みに効くのか? むしろ逆効果ではないのか?と思われた方もいるのでは無いでしょうか? 痛いと動けない、動かすと悪化する、だから絶対安静、はすでに過去の話です。むしろ動かないと、身体が衰えてしまい、痛みが強くなりかねません。
最近は手術してもすぐに運動をするようになりました。衰えないようにするためです。一度衰えると、以前だったら全く大したことなかった運動量が「使いすぎ」のレベルに変わってしまい、さらに痛みを起こす可能性がさらに高くなってしまい、いわゆる負のスパイラルに陥ってしまうのです。

また実際に運動で、痛みが軽減する、痛みを感じにくくするという報告が有り、対して安静は慢性痛に対する必ずしも有効な治療法ではないと言われています。安静状態が長引くと、ネガティブな考えが次から次に出てきて、それが元でまた痛みが強くなると言うことにも留意すべきです。また慢性痛患者によく見られる鬱状態を、運動が改善するという報告も多いです。以前なら考えられなかったことですが、筋トレが片頭痛の治療に効果的だという論文も最近出ました。

でもやっぱり動かすと痛い。それは運動量が今の体力を超えてしまったのかも知れません。まずは運動と言うより、日々の活動を増やすことから始めます。また、患部とは違う、動かしても痛くない箇所を動かす方法もあります。不思議なことにそれで、患部の痛みが減ると言う論文があります。

この運動の種類と量の決定には、知識と経験が必要になります。当院ではさらに認知行動療法の手法も使って、個人に合わせて的確なアドバイスをいたします。

心理療法に怖いイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。痛みに対する誤った考え方を修正し、上手く痛みを扱う術を学び、身体をリラックスさせるトレーニングをしていくものです。なお、心理療法を受ける人は、心が悪い人、心が弱い人、ではありません。全く関係ありません。

慢性痛に対して効果が有るとされている
・痛みのメカニズム、性質を知る
・活動のペースを見極める方法を学ぶ
・マインドフルネスや呼吸法など、不安を減らし、余計な身体の力を抜き、リラックスさせる方法を学ぶ
などが具体的な方法です。

現在、大都市にしかまだない痛みの専門病院では集学的(学際的)医療という、異なる分野の医師、理学療法師、公認心理士/臨床心理士、薬剤師、作業療法士、管理栄養士・栄養士、鍼灸マッサージ師などがチームを組んで対応するようになってきています。いわゆるチーム医療と呼ばれるものです。

鍼灸院が言うのはおかしいのですが、凝りと慢性痛に関しては、鍼やスーパーライザーなどの温熱治療は、実は対処法のほんの一部に過ぎないのです。心理療法も、運動療法も、病院での薬物治療もその一部に過ぎません。心と身体、社会的背景など多面的に見て、痛みへの認識をかえて、痛みを正しく理解し、日々の行動を変えていく。そういう意味で、痛みのコントロールは非常に難しいのです。

ひろ鍼灸院は個人の小さな鍼灸院ですが、凝りと痛みに苦しむ患者さんのために、手術と薬物療法以外の運動療法、心理療法も、おおよそ対応できるよう、日々知識と技術の研鑽に努めております。「当院の方向性」(クリック)のページも目を通して頂ければ、安心して来院していただけるのではないかと思います。

鍼は慢性痛にどう働くのか?

鍼は慢性痛対策のほんの一部といっても、非常に有益な道具・技術であることは間違いありません。心理療法は感情や行動をいい方向へ持って行ってくれますが、身体面へは直接働きを変えることが出来ません。また、合わない方もいます。そこで鍼の出番となります。
また、痛みを無くすのでは無く、痛みをコントロールすると述べましたが、鍼もそのコントロールするための有効な方法の一つになります。

鍼は
1)患部へ(局所)
慢性痛の患者さんは、身体のあちこちが悲鳴を上げています。まずは痛みを感じる患部に施術します。緊張していた筋肉が緩み、血流が良くなり痛み物質は流れ去り、酸素と栄養が運ばれてきます。
慢性痛の場合、痛みを感じる場所が必ずしも患部というわけではありませんが(トリガーポイント理論)、患部に鍼をすることで安心感が得られるので、意味はあると思います。よく患者さんから「最近のお医者さんは見もしない。触ることもしない」と不満の声を耳にします。原因がそこにあろうが無かろうが、私もまずは痛みのある場所を触ります。それが施術の第一歩だと思うのです。

2)脳神経へ

ひろ鍼灸院が、得意としているのがこの、鍼の脳神経に対するアプローチです。鍼が効果を出せるのは手足の筋肉だけでは無いのです。主に鍼通電や、頭皮鍼、耳鍼(耳介鍼)、顔面鍼が使われます。
鍼灸学校時代、鍼通電の刺激が大の苦手だったのですが、機械を上位機種にし、操作方法を学んだ今、身体の不調が自分に起こると、すぐに手が伸びてしまうほど信頼している施術方法です。脳内麻薬とも呼ばれる脳から出される痛み止めを多く分泌させることも関係していると思いますが、本当に気持ちが良い刺激です(左の写真は鍼通電の様子)。
また脳に近い部位である耳に行う鍼は、ダイエット法で有名ですが、脳に直接刺激を与える神経が複数走っており、外国では術後疼痛症候群(手術後に発生した痛み)を始め、様々な痛みに使われています。もちろん、うつなどの精神疾患、多岐にわたる自律神経疾患にも欠かせません。

3)全身へ
鍼を受けたことがある方はご存じだと思いますが、鍼が刺さるときは緊張しても、刺さった後は時間と共に身体がゆっくりとリラックスしていくのがわかると思います。こうなって初めて、自分の身体を自由に、楽に動かすことが出来ます。逆の状態、すなわち痛みを長いこと受けている状態だと、身体には硬くて重い鎧がついてしまったようになり、思い通りには動けず、まさに痛みにコントロールされている状態と言えます。鍼はその鎧を溶かす有効な道具のひとつであり、技なのです。

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