問診から施術まですべてにおいて丁寧に、をモットーにしております。施術には一人1時間を頂戴することになります。
しっかり時間をかけてお話をお伺いするからこそ病因は見えてくるものです。また鍼やお灸をする箇所(ツボ)も丁寧な触診があってこそのツボなのです。さらにエコーを使って、体内を視ることもあります(右のエコー画像は膝関節の内側で、中央の逆三角形が半月板で、飛び出ていたり、断裂していることも)また丁寧に鍼を打つことで、その痛みをほぼ無くすことが出来ます。
また可能な限り短期間で、そして少ない施術費で「脱・患者」をしていただくことを常に念頭に置いております。そのため、ご自宅でのセルフ・ケアとしてストレッチや筋力トレーニング、ストレス軽減法、お灸などのご指導もさせていただきます。これらは、施術のおまけ程度に捉えられがちですが、適切な指導があれば、他の療法と同等、あるいはそれ以上の効果が出る場合も少なくありません。名前の通り、れっきとした治療法のひとつで、当院では重要視しております。
当院の特徴
今最も注目を浴びている『ファシア』を意識して、トリガーポイントに鍼灸を行っています。マッサージも漫然と全身を揉むのではなく、あくまでも患部を意識した医療マッサージになります。
様々な疼痛、自律神経、過食症対策、各種メンタル疾患に本格的な耳鍼も行っております。また耳鳴りや痛みは最終的に脳で感じ、不安を抱きそれが症状をさらに悪化させることが多いため、脳に対するアプローチも行っています。片頭痛や慢性疲労症候群も、この手法で施術を行います。
ファシア(fascia)とは:筋肉・腱や脂肪、血管や臓器、骨の周りにあり、それらを包み、それらの隙間を埋めて、体全体をつなげている組織のことです。
この言葉に馴染みのないのは当然のことで、医学、特に解剖学の世界では、これまで単なる余計な物として無視・除外・除去されてきた部位なのです。しかし、この体中に張り巡らされている網とその周りにある液体により、体のバランスをとっており、ある部位にストレスがかかると固まり(縮まり)、また強い力がかかって伸びてしまうこともあります(ファシアの特徴のひとつ『可塑性』)。(右はファシアのイメージイラスト。書籍『ファシア その存在と知られざる役割』医道の日本社)
そしてこのファシアには、痛みのセンサーである自由神経終末が豊富にあることもわかってきました。腰痛の85%は原因不明とも言われていますが、おそらくその大半がこのファシアにあると私は考えています。また画像診断では異常が見られないのに、痛みを訴える場合もファシアが関係していることがあると思われます。
つまり、俗に言う「凝り」、「関節可動域の低下」そして「痛み」は、このファシアが主な原因の一つということです。当院は筋肉だけではない、このファシアを意識した施術を行う鍼灸院です。
※筋膜とは:myofascia。インターネットでよく見るようになりましたが、筋および筋繊維を包む組織で、ファシアのごく一部。ネット上では流行語のように使われていますが、実は筋膜は、実は凝りや痛みの原因の一部に過ぎません。
トリガーポイント鍼:トリガーポイントとは(痛みの)引き金、つまり原因となっている場所のことです。近年では、痛みのセンサーが集中して鋭敏になった部位だとされています。ファシアはすでに説明したとおり、この痛みのセンサーが豊富にあるので、トリガーポイントが出来やすい部位でもあります。
痛みを感じるところに普通は治療をするわけですが、全く効果が出ないことが多々あります。それは、痛みを感じるところと、その原因となる場所(トリガーポイント)が離れている、異なっているケースです。明治国際医療大学の論文によると7:3の割合で、痛みの原因であるトリガーポイントと痛みを感じる場所が、別々になっている方が多いとされています。
痛む場所とその原因が別ということを、わかりやすい例で言うと、かき氷を食べたときに、こめかみがキーンと痛くなることがあります。痛む場所はこめかみであっても、原因はそこから離れた口の中です。
トリガーポイントの具体的な例のひとつがふくらはぎの痛みです。もちろん、ふくらはぎ自体が痛みの原因になっている場合もありますが、なんと頬・顎が原因(トリガーポイント)になっていることもあるのです。もちろん、この場合はいくらふくらはぎを治療しても効果が無く、肝心の頬を治療しなければ治りません。
なぜ痛みの原因部位が、痛みを感じる場所と離れているのか? それをつなぐものは何か? おそらく神経や、東洋医学で言う経絡、そして新たに加わったのが上で説明した全身を巡るファシアであろうとされています。ですから、ファシアは東洋医学とも相性が良く、東洋医学と西洋医学を結びつける可能性があります。長くなりましたが、ファシアがいかに痛みの治療に欠かせないのか、ご理解頂けたかと思います。
耳鍼(耳介鍼)
耳鍼を知ったのは、鍼灸学校の恩師であった故・白石武昌先生のおかげです。東海大学准教授でもあった白石先生のご専門は神経生理学で、授業でも神経をみっちりやらされました。さらに卒業生、教師も含めた有志で結成された、母校で歴史ある「痛みの会」という白石先生が講師の自主勉強会があり、私は幹事として2年間お手伝いさせて頂きました。その中で白石先生は、食欲中枢を抑える耳鍼(耳介鍼)を研究し、R.ノジェ博士より賞を受けていたことを知りました。現在の耳鍼に関する基礎研究の礎を築かれ、欧州を含めた鍼灸界にその名を刻まれたといっても過言ではありません。また、ノジェ博士は世界中のセミナーで、度々白石先生のお名前を出されていた、ということをかなり後になって知りました。
ちなみに耳にツボが無いことからもわかるように、耳鍼を体系化したのは実は中国ではありません。このP.ノジェというフランス人の医師でした。NHKが取り上げたこともある、米軍で採用されているBFA(バトルフィールドアキュパンクチュア)通称、「戦場鍼」も、やはりこのノジェ式の鍼を元に、痛みおよびPTSD治療に特化した物です。
またノジェ式の鍼を元に、薬物依存(依存症)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に特化したNADAプロトコールという耳鍼もアメリカでは知られています。
鍼灸学校卒業後も、この耳鍼が忘れられず、ノジェ式の耳介鍼を、ご子息のR. Nogier医師直々に上級コースまで学ばれた原浩之先生の入門セミナーを2019年11月に、2022年8月に上級コースまで受けることができました。(写真はセミナー内での実技練習の院長)
耳鍼を体系化したノジェ博士と、白石先生、そして原先生に共通するのは、耳鍼には相当な脳神経の勉強が必要と言われていることです。この症状にはここに刺激物を貼ればOK、などという単純なものではありません。耳鍼は効かない、という意見があるのは、このような適当な、形だけの施術をしているところが多いからです。脳神経を元に症状を考察し、検査をし、適切な方法でポイントを正確に探る、というのが本来のノジェ式の耳介鍼(耳介療法)です。
なお、当院で耳介鍼がよく使われているのが、脳の血流を改善し、自律神経を整え、鎮痛効果を高めることを目的に、うつ病やパニック障害、不安障害(不安症)、各種慢性痛、片頭痛、過敏性腸症候群、原因不明の痛み(特に透析時血管痛/シャント痛)、天気痛、自律神経失調症、めまい、耳鳴り、眼瞼痙攣(まぶたのピクピク)などの症状です。そのための特殊な検査器具、施術に必要な鍼と技術は当院に全て揃っておりますので、ご安心ください。
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